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情報棟分科会 - 第 3 回

コンピュータの利用目的の一つとして、文書作成が挙げられます。 たとえばレポートを書いたり、プログラムを組んだり。 で、この際に使われるのがエディタ (編集ソフト) というものです。

UNIX では Emacs というエディタがよく使われます。 非常に高機能なソフトで、使いこなせると本当に何でもできてしまいます (たとえば、エディタの中でテトリスが遊べちゃったり)。 今回はこの Emacs にちょっと触れてみましょう。

最初の一歩

とりあえず起動

まず、UNIX 環境にログインします。

すると、(設定を変えていなければ) 自動的に Emacs が起動します。 画面右側に出ている「emacs@ux123.ecc.u-tokyo.ac.jp」とかいうやつです。 というわけで、特に何もしなくても勝手に Emacs が使える状態になってくれます。

ちなみに、自分で起動する場合はコマンドラインから

g123456@ux123> emacs &

とすれば OK です (& をつけないと、Emacs を起動している間はコマンドを打てなくなります。 つけるとそれが解消できます)。

チュートリアルを読んでみる

で、ここから Emacs の使い方を説明することになるのですが、実は Emacs の使い方は Emacs 自体で学ぶことができます。 というのは、Emacs にチュートリアル (初めて使う人のためのガイド) が付いているのです。 よくまとまっているので、これを読んでみましょう。

チュートリアルを見るには、Emacs で、Control を押しながら h を打ったあと、t を打ちます (なお、Emacs ではこの操作を「C-h t」と略記することがあります)。

では、頑張ってチュートリアルを読んでみてください! (ああ、説明楽だなぁ)

ちょっとカスタマイズ

チュートリアルだけだとちょっと退屈だったかもしれません。 というわけで、自分が使いやすいように Emacs の設定をちょっと変えてみる方法を紹介します。

Emacs の設定は、ホームディレクトリ (UNIX で、自分のデータを置く場所) の .emacs というファイルに書きます。 emacs ではなく .emacs です。 先頭のドットをお見逃しなく!

このファイルを開くには、C-x C-f (Control を押したまま x を打って f を打つ) として、最下行に

Find file: ~/

と出たら

Find file: ~/.emacs

と入力して Return キーを押します (ちなみに ~ はホームディレクトリのこと)。 まっさらな画面になったら OK です。 ここに設定を書いていきます。 以下のうちから好きなものを選んでやってみてください。

キー割り当てを変更する

Windows などでは、Control+Z で動作の取り消し (undo) ができることが多いですが、UNIX では普通そうなっていません。 これを変更するには

(global-set-key "\C-z" 'undo)

と書きます (円マークが出ているかもしれませんが、それは逆向きの / (バックスラッシュ) と同じものと考えて下さい)。

他にも、プログラムを書いているときに、リターンキーで自動的にインデント (字下げ) されるようにすることができます。 こうしましょう :

(global-set-key "\C-m" 'newline-and-indent)

行・列番号を常に表示する

そのまんまです。

(setq line-number-mode t)
(setq columne-number-mode t)

時計を表示する

これもそのまんま。

(display-time)

最終行で下カーソルを入力しても新しい行を作らない

普通のエディタだと、下カーソルをずっと入力しているとファイルの終端で止まるのですが、Emacs は何故かそうではなく、延々と新しい行が作られてしまいます。 これが嫌な場合は次のようにして回避できます。

(setq next-line-add-newlines nil)

スタートアップメッセージを表示しない

Emacs を起動すると、「Welcome to GNU Emacs」云々というメッセージが表示されます。 これが鬱陶しい場合は次のようにして回避できます。

(setq inhibit-startup-message t)

プログラムの予約語等に色を付ける

プログラムを書いているとき、if とか void といった予約語に色が付いていると見やすくなります。 このようにするには次の文を書きます。

(global-font-lock-mode t)

プログラムのインデントのスタイルを変える

前からプログラミングをしている人は、自分の好きなプログラムのスタイルというのがあると思います。 ところが Emacs だとデフォルトでは

int main()
{
  if(hoge)
    {
      foo();
      bar();
    }
  return 0;
}

のような感じになります。 これを

int main()
{
    if(hoge)
    {
        foo();
        bar();
    }
    return 0;
}

のようにしたい場合、次の文を書きましょう。

(add-hook 'c-mode-common-hook '(lambda () (c-set-style "CC-MODE")))

なお、もっと細かいこだわりがある人は、もっと細かく設定することもできます。 が、ちょっと長くなるので今回は省略します。

おわり。

というわけで、今回はここまでです。 Emacs はちょっと独特なエディタなので、最初は使いにくいと思いますが、慣れると本当に便利です (UNIX 全般に言えることかもしれません - まあ「最初使いにくい」というのは本当はあまり良くないのですけど)。 まあ、頑張って慣れましょう。

あと、Emacs に慣れちゃって Windows でも使いたーいと思うようになったら、次のソフトを使うとよいかもしれません :

xyzzy
Windows 上で動く Emacs のようなエディタです。 非常によくできています。
窓使いの憂鬱
UNIX のキー配置 (Ctrl が A の左にある、など) に慣れてしまった人のための、Windows 用キー配置変更ソフトです。 ちなみに TSG の先輩の作品だったりします。