コンピュータの利用目的の一つとして、文書作成が挙げられます。 たとえばレポートを書いたり、プログラムを組んだり。 で、この際に使われるのがエディタ (編集ソフト) というものです。
UNIX では Emacs というエディタがよく使われます。 非常に高機能なソフトで、使いこなせると本当に何でもできてしまいます (たとえば、エディタの中でテトリスが遊べちゃったり)。 今回はこの Emacs にちょっと触れてみましょう。
まず、UNIX 環境にログインします。
すると、(設定を変えていなければ) 自動的に Emacs が起動します。 画面右側に出ている「emacs@ux123.ecc.u-tokyo.ac.jp」とかいうやつです。 というわけで、特に何もしなくても勝手に Emacs が使える状態になってくれます。
ちなみに、自分で起動する場合はコマンドラインから
g123456@ux123> emacs &
とすれば OK です (& をつけないと、Emacs を起動している間はコマンドを打てなくなります。 つけるとそれが解消できます)。
で、ここから Emacs の使い方を説明することになるのですが、実は Emacs の使い方は Emacs 自体で学ぶことができます。 というのは、Emacs にチュートリアル (初めて使う人のためのガイド) が付いているのです。 よくまとまっているので、これを読んでみましょう。
チュートリアルを見るには、Emacs で、Control を押しながら h を打ったあと、t を打ちます (なお、Emacs ではこの操作を「C-h t」と略記することがあります)。
では、頑張ってチュートリアルを読んでみてください!
(ああ、説明楽だなぁ)
チュートリアルだけだとちょっと退屈だったかもしれません。 というわけで、自分が使いやすいように Emacs の設定をちょっと変えてみる方法を紹介します。
Emacs の設定は、ホームディレクトリ (UNIX で、自分のデータを置く場所) の .emacs というファイルに書きます。 emacs ではなく .emacs です。 先頭のドットをお見逃しなく!
このファイルを開くには、C-x C-f (Control を押したまま x を打って f を打つ) として、最下行に
Find file: ~/
と出たら
Find file: ~/.emacs
と入力して Return キーを押します (ちなみに ~ はホームディレクトリのこと)。 まっさらな画面になったら OK です。 ここに設定を書いていきます。 以下のうちから好きなものを選んでやってみてください。
Windows などでは、Control+Z で動作の取り消し (undo) ができることが多いですが、UNIX では普通そうなっていません。 これを変更するには
(global-set-key "\C-z" 'undo)
と書きます (円マークが出ているかもしれませんが、それは逆向きの / (バックスラッシュ) と同じものと考えて下さい)。
他にも、プログラムを書いているときに、リターンキーで自動的にインデント (字下げ) されるようにすることができます。 こうしましょう :
(global-set-key "\C-m" 'newline-and-indent)
そのまんまです。
(setq line-number-mode t) (setq columne-number-mode t)
これもそのまんま。
(display-time)
普通のエディタだと、下カーソルをずっと入力しているとファイルの終端で止まるのですが、Emacs は何故かそうではなく、延々と新しい行が作られてしまいます。 これが嫌な場合は次のようにして回避できます。
(setq next-line-add-newlines nil)
Emacs を起動すると、「Welcome to GNU Emacs」云々というメッセージが表示されます。 これが鬱陶しい場合は次のようにして回避できます。
(setq inhibit-startup-message t)
プログラムを書いているとき、if
とか
void
といった予約語に色が付いていると見やすくなります。
このようにするには次の文を書きます。
(global-font-lock-mode t)
前からプログラミングをしている人は、自分の好きなプログラムのスタイルというのがあると思います。 ところが Emacs だとデフォルトでは
int main() { if(hoge) { foo(); bar(); } return 0; }
のような感じになります。 これを
int main() { if(hoge) { foo(); bar(); } return 0; }
のようにしたい場合、次の文を書きましょう。
(add-hook 'c-mode-common-hook '(lambda () (c-set-style "CC-MODE")))
なお、もっと細かいこだわりがある人は、もっと細かく設定することもできます。 が、ちょっと長くなるので今回は省略します。
というわけで、今回はここまでです。 Emacs はちょっと独特なエディタなので、最初は使いにくいと思いますが、慣れると本当に便利です (UNIX 全般に言えることかもしれません - まあ「最初使いにくい」というのは本当はあまり良くないのですけど)。 まあ、頑張って慣れましょう。
あと、Emacs に慣れちゃって Windows でも使いたーいと思うようになったら、次のソフトを使うとよいかもしれません :