TeX分科会第五回

だらだらと同じような文章を避ける場合とか、項目を列挙する場合とか 単に文章をきちんと構成するのがめんどくさいとか、そんな場合に箇条書きはよく使われます。 そんなわけで今回は箇条書きの扱い方について勉強します。今回はあっさり目に行きます。

TeXで利用できる箇条書きの種類

TeXで利用できる箇条書きは3種類あります。そのまま列挙すると

の3種類です。

  1. 記号付き箇条書き
  2. 番号付き箇条書き
  3. 見出し付き箇条書き

意味も無く繰り返してみました。それぞれの箇条書きで使う環境は

記号付き箇条書き
itemize環境
番号付き箇条書き
enumerate環境
見出し付き箇条書き
description環境

となっています。いまここでHTMLで記号付き箇条書き、番号付き箇条書き、見出し付き箇条書き の3種類で箇条書きをやってみましたが、今回はTeXでも同じことをやってみようというお話です。

記号付き箇条書き(itemize環境)

頭に・などのついた普通の箇条書きです。

\begin{itemize}
	\item 記号付き箇条書き
	\item 番号付き箇条書き
	\item 見出し付き箇条書き
\end{itemize}  
  

とこんな感じになります。簡単ですね。

番号付き箇条書き(enumerate環境)

つづいて番号付き箇条書きです。まぁ、通し番号が振られるようになるだけで、 書式的には記号付き箇条書きとほとんど変わりません。

\begin{enumerate}
	\item 記号付き箇条書き
	\item 番号付き箇条書き
	\item 見出し付き箇条書き
\end{enumerate}
  

見出し付き箇条書き(description環境)

最後に見出し付き箇条書きです。今までの二つと違って\item命令の直後に[]をくっつけて その中に何か書きます。[]の中に書いたものが見出しになります。
例を見てみましょう。

\LaTeX において箇条書きを使うためには、それぞれ
\begin{enumerate}
	\item[記号付き箇条書き] itemize環境
	\item[番号付き箇条書き] enumerate環境
	\item[見出し付き箇条書き] description環境
\end{enumerate}
を使用する。
  

と、こんな感じになります。

箇条書きのネスト

箇条書きは、箇条書きの中に箇条書きを入れることができます。まぁ、それもやるのはそのままで

\begin{itemize}
	\item 第1レベルの箇条書き
	\begin{itemize}
		\item 第2レベルの箇条書き
		\begin{itemize}
			\item 第3レベルの箇条書き
			\begin{itemize}
				\item 第4レベルの箇条書き
			\end{itemize}
		\end{itemize}
	\end{itemize}
\end{itemize}  
  

と、こんな感じになります。出力結果は各自試してみてください。

小技

記号付き箇条書きの先頭の記号を変える

箇条書きの先頭の記号はクラスファイル(以降のテキストで解説できるかどうか) の中に定義されています。第1〜4レベルの記号を変えたい場合、それぞれ "\labelitemi","\labelitemii","\labelitemiii","\labelitemiv"という命令を使います。 例えば、第一レベルの記号の"・"を"☆"に変えたいのなら、

\renewcommand{\labelitemi}{☆}
  

とします。

見出し付き箇条書き、見出しの直後で改行する

試してみれば分かりますが、見出し付き箇条書きで見出しの直後で改行したいと思って、\item[見出し] の直後に強制改行"\\"を入れてもうまく改行してくれません。 見出しの直後に改行を入れたい場合は、例えば次のように\mbox{}という何も出力しない命令を書くとうまくいきます。

\begin{description}
	\item[見出し] \mbox{} \\
		見出しの直後に改行を入れた。
\end{description}
  

また、\mbox{}でなくても、全角空白を入れても問題はありません。