Buho No.220目次

TeX分科会

ギャラ


日本ふかし話

 むかしむかしのお話です。あるところに、壱太郎1とかワードナー2とかいうワープロソフトが ありました。

 ある日のことです。お爺さんが壱太郎で印刷を、お婆さんがワードナーで数式出力をしていると、 心底ろくでもないものが出来てしまいました3

 「ぐはあっ。嘗めとんか、(検閲削除)!」

 お爺さんが汚い印刷結果を前に愕然とし、お婆さんが血反吐を吐きながら数式を書こうと苦労 していると、偉大なるTeXが降臨して、お爺さんたちにこう言いました。

 「そのよーな汚い、とゆーかむしろ(検閲削除)で(放送禁止)なワープロソフトより、 偉大かつ美麗なるTeX様を使いなさい」4

 こうして偉大なるTeXに触れたお爺さんとお婆さんは、立派なTeXnicianとして平和な 一生を送ったのでした。

 めでたし、めでたし。

TeXの説明

 さて。

 上の文章を読んで、\TeXについてある程度の知識は出来たかと思います。

 「これでTeXは理解したぜ!」という方は……嘘つけや。

 とゆーわけで、TeXについての説明です。ここから真面目なので、そのつもりで読むよーに5

 TeXというのは、現在世界中で使われている組版ソフトです。組版ソフトとゆーのが何かとゆーと、文書を与えてやると、適当に整形・レイアウトをしてくれるとゆーものです。 簡単にゆーと、この部報のように見出しを付けたり、脚注を付けたり、改行したりしてくれるとゆーわけです6

 そして、TeXの特徴は、何と言っても美しすぎやがるのです。そりゃもう、そこはかとなく。

 複雑な欧文の出力、物理学科などで使うような数式など、通常のワープロソフトでは困難な出力も簡単に出来てしまうとゆー、夢のようなソフトがTeXなのです。

 例えば欧文はこのよーに。

``¿But aren't Kafka's Schloß and Æsop's Œuvres often naïve vis-à-vis the dæmonic ph&oelig nix's official rôle in fluffy soufflés?''

 数式出力例はこのよーに。

(∫ sin x dx ) 2 =

k=0
(2k) !   1   =

k=1
4k2 = π
0 x 22k(k !)2 2k + 1 4k2 - 1 2

 しかも、環境にかかわらず一定の出力結果が得られ、とどめにフリーソフト。

つまりタダ。

 これで(検閲削除)のよーな腐れワープロソフトに大枚はたいて、涙の河を渡るよーな羽目に陥らなくても済むわけです7

 まさに、北◯鮮の指導者のよーに素薔薇し……(検閲により以下略)8

TeXnicianへの道!

TeXnician9……TeX使いになるには、まず基本的なTeXの使い方を覚えることです。

 筆者の経験から言えば、およそ数週間もあればTeXの基本中の基本は学べます。 所詮基本か、と思うかもしれませんが、これだけでもレポートの作成には十二分です

 さらにレベルアップすれば、システムファイルと呼ばれる編集形式を決定するファイルを作れるようにもなりましょう。この段階になればTeXnicianとしては一人前。もはやTeXを使って本を一冊印刷してのけることすら可能になります。

 これを越えるとTeXnomanser10と呼ばれる領域にまで突入し得るのですが……まあ、それはいずれということで。

 少なくとも、第一段階の技術を習得すれば、情報棟の設備を利用して美しいレポートが作成 できるようになります。ここまで僅か数週間。

 さあ、貴方も我らとともにTeXを極めようではありませんか!

新たな世界が、貴方を待っています。
……嘘ですけどね。11
1 ATOKの付属品。
2 MSの布教品。そこはかとなく邪悪。
3 よくあることです。
4 なんか宗教団体の手口のよーですが、まあよくあることです。
5 本当です。
6 実際、この部報もTeXで編集されています。
7 よくあることです。
8 よくあるネタです。
9 TeXをある程度使いこなす人への尊称。
10 TeXの魔術師、の意。人外の編集能力を持つ。なお、綴りが正しいかどうかは定かではない。
11 レポート作成に便利なのは本当ですけどね。

HTML化 村木亮太、東京大学教養学部前期課程, TSG(理論科学グループ)