Buho No.213 目次

情報棟活用分科会

ぱらぐらふ


東京大学には、情報教育の一環として整備されている 「情報棟」という設備があります。 5号館と6号館の横にある北棟、 駒場東大前のホームから見える南棟の二つから成るこの施設は、 Internetで世界中と接続されています。 1 E-Mailの送受信やホームページの開設はもちろん、 ネットワークを酷使したさまざまな活動を行うことができる場所、 それが情報棟なのです。

理系の方は夏学期に、 文系の方は冬学期に「情報処理」という授業がありますが、 そんなに待っていられませんし、 そもそもこの授業で情報棟が使えるようになる人は おそらくいないほどの役立たずなものです。 2

本分科会は、情報棟の活用を軸としながら コンピュータやネットワークの基礎を学び、 あるいは体得することを目的とする分科会です。 内容の詳細は集まった方によって多少変化しますが、 現時点で予定しているものは以下の通りです。

ログイン・ログオフ  〜 X端末は "パソコン" ではない 〜

情報棟に配備されているX端末 3 へのログインのしかた・パスワードの変更方法・ログアウトの仕方、 などなど、知っていなければならない最低限の知識です。

Netscape  〜 世界の全てを手に入れる 〜

情報棟のX端末からNetscape 4 を起動し、ホームページを見る方法についてです。 ちなみに、TSGのホームページは

http://www.komaba.ecc.u-tokyo.ac.jp/~g740340/tsg/
[HTML編集者註] 現在は/に移動しています。独自ドメインです。(1999-01-31)

です。

Mule and Emacs  〜 使えない定番 〜

MS-DOSからWindowsへと流れてきた人間にとって馴染みにくいものが UNIXの標準エディタ "Emacs" 5。 個人的感想を言わせてもらえれば

こんなもん使えるか

ですが、UNIXでは事実上、これ以外のエディタ 6 はないので、涙をのんで使い方を学びます。

メールというと一般の人々の間ではPメールになるという 説もありますが、 少なくとも情報棟でそんなことを言っていてはいけません。 TSGでは主要な連絡手段として使われている電子メール、 その使い方についての知識です。

ファイルシステム  〜 Permission denied :D

MS-DOSやWindowsが真似をした、 UNIXのファイルシステムの使い方について学びます。 また、ファイルシステムとは少し離れますが、 telnetやftpについても解説したいと思います。

TeX  〜 世界標準組版システム 〜

この冊子もTeXで組版されていますが、 このTeXの使い方についての基礎を マスターすることを目標とします 7

HTML入門

HTML分科会やJava分科会への繋ぎを目的とする項です。 自分で情報棟システム内にホームページを開設し、 HTML(Hyper Text Mark-up Language)の基礎を理解します。

ちなみに、ここまでできれば間違いなく 情報処理の期末試験はクリアできます。

コンピュータはブラックボックスではない。 物理法則に基づいて動作する機械にすぎない。 コンピュータの、ソフトウェアの動作は、 どこかに規定されているはずだ。 --- そういう発想を本分科会を通じて持っていただければ幸いです。 そして、その「規定」を自ら試み、 自分の思い通りにコンピュータを動かしてみようというのが プログラミング系(Java・C/C++・HTML etc)分科会と いえるでしょう。


1) 【編註】これらの施設は正確には「情報教育棟」といい,コンピュータはすべて教育用計算機センター(ECC)の管轄になります。ただし,建物などの施設は教養学部の管轄。事務室も北棟は「ECC駒場支所」であってECCの技官がよく出入りしますが,南棟は主に教養学部系の技術スタッフが駐在するように区別されています。が,ふつうの利用者はそんなことには気付きません(笑)。
2) 【編註】必修授業のご多分に漏れず,教官による格差が激しいという意味でしょう。
3) 来年からはWindows NTになるので話ががらっと変わるんですがね……。〔【編註】あくまでも噂です。〕
4) つまり、Webブラウザです。情報棟にはIEは入っておりません、幸いに。
5) MuleはEmacsの日本語を含む多国語対応版。
6) Editor: ファイルを編集するためのプログラムのこと。
7) というか、「LaTeXε美文書作成入門」を読めばだいたいのことはできてしまいますから、教えることなんてないのです :D

今野 俊一 (こんの, knn) <toknn@ijk.com>, <knn@ebony.plala.or.jp>
東京大学 工学部 計数工学科(内定), TSG(理論科学グループ)