Buho No.212 目次

新入部員獲得マニュアル

わたる


はじめに

私、305の長老こと わたる も今年は無事に本郷へ進学し、 駒場を去ります。 ついては、三年間305を見てきた経験に基づいて、 四月の新歓シーズンに向けたこの記事を、書くことになりました。 何とかに王道なし、と言います。 爺の戯れ言として、軽く読み流してもらえれば幸いです。

新入部員獲得の重要性

他のサークルと同様、新入生を獲得することは、TSGにとっても非常に重要です。 組織としての新陳に必要という意味は、さておきましょう。 現実問題として、もし一学年でもTSGerのいない世代ができてしまうと、 翌年に新入生を勧誘する人間がいなくなります。 その時点で、少なくとも学友会サークルとしての、 TSGの命運は尽きてしまうでしょう。

最近は、サークル活動自体に関心のない人々が増えているらしいので、 くれぐれも油断は禁物です。

サークルオリ

とにかく人を集める

勧誘するにも、そもそも説明を聞きに来てくれなければ、 勧誘しようがありません。 ところが困ったことに、『理論科学グループ』という名前は、 何をするサークルなのか、全然説明になっていないのです。 積極的な呼び込みが、まず必要でしょう。

割り当てられた教室にこもらず、せめて廊下まで出で行って、 呼び込みをして下さい。 面倒くさがって、内輪で話し込んでいるようでは、だめです。 新入生が話しかけやすい雰囲気を、心がけて下さい。 近寄ってきた人には、こちらから話しかけるくらいの、 つもりでいましょう。

昨今のパソコン・インターネットブームのおかげで、 とりあえず人を集めるのは、容易になりました。 今年もここまでは、簡単にいくでしょう。

TSGのことを説明する

まず、相手がTSGに何を期待しているのか、 知ることがとても大切です。 それがわかれば、こちらとしても説明しやすくなります。

だからと言って、新入生の方にいきなり説明を求めるわけにも、 いきません。TSGの日頃の活動を紹介しつつ、 コンピュータに、あるいはサークル活動に、 どのような関心を持っているのか、聞き出すようにしましょう。

なかなかそう簡単に、うまくいかないものですが、 新入生と会話が成り立てば、しめたものです。 無理に引き留めるのはいけませんが、 脈ありの人とならば、相手が望む限りいくらでも、 話につきあってよいでしょう。

名前と住所を書いてもらう

TSGの説明会と新歓コンパの案内を送るため、 新入生に名前と住所、学生証番号(メールのアドレス)を書いてもらいます。 教えてもらう必要がある理由を、きちんと説明しておきましょう。

部室に遊びに来ることを勧めておく

これを忘れてはいけません。

305で

新入生が305にやって来たときが、勧誘の本当の始まりと言えるでしょう。

普段と違うことを、わざわざしても仕方がないと思いますが、 その新入生を必ず仲間に入れてあげましょう。

プレステに夢中のあまり、せっかく来てくれた新入生に 気が付かなかった、なんてひどいことの起きないよう、 くれぐれも注意して下さい。 冗談ではなく、これは実際にあった出来事です。

説明会

例年ですと、四月の終わりか五月の初め頃に、 サークルオリとは別の、TSG単独のサークル説明会を開催していました。 五十人以上集まることもあり、場所の確保が必要です。 各分科会の紹介と、担当者による説明、 コンパや合宿、駒場祭など行事の解説をしてきました。

しかし、振り返ってみると、このような説明は、 サークルオリの時にすべきだったように思えます。

オリパンフを読んで聞かせるような説明会ならば、 行う必要はありません。 新歓シーズンにおける説明会の位置づけを、 その存続も含めて、きちんと考えてみるとよいのではないでしょうか。

新入生歓迎コンパ

連休明け、五月の中頃に催されるのが慣例です。 この種のコンパとしては、時期がかなり遅めです。 他サークルのコンパと衝突を避けるという、名目によるものでした。

少なくとも夏休みまでは、サークルを掛け持ちする人が多いので、 悪い考えではないと思います。 しかし、新入生を他サークルに奪われるというリスクが、当然あるでしょう。

また、分科会が動き出すのは、このコンパの後となりがちなので、 考慮してほしいことがあります。 英語1の試験が七月の初めにあるために、 分科会の活動は、六月いっぱいで中断せざるを得ません。 新歓コンパがあまり遅いと、 分科会の開催期間は、実質一ヶ月ほどしかなくなります。 TSGが夏学期にあまり活動できないのは、 これが原因のひとつかと思いますが、どうでしょうか。

終わりのないテーマ

夏合宿、総決起コンパ、駒場祭、打ち上げコンパ、役員の引継…

いったいいつまで、新入部員の獲得工作は続けるべきなのでしょう?

何をもって、TSGに定着したと言えるのでしょうか?

夏合宿には参加していたのに、夏休み明けには消えている人たちが、 毎年います。 駒場祭には来ていたのに、残念ながら、その後去ってしまう人もいます。 役職を退き、本郷に進学すると同時に、音沙汰が無くなる人もいます。

一方で、TSGに加わったのは冬学期からなのに、

すっかり幹部に

収まってしまう人がいます。

2年生になってから、あるいは本郷に進学してから、 仲間になる人もいるのです。

『新入部員として獲得できるか』と言う問いは、 『TSGがその人にとって、魅力的なサークルであり続けられるかどうか』 と言う問いです。

TSGが魅力あるサークルであり続けること。

これは、新入部員に限らず、すべてのTSGerにとって重要です。

つまり、TSGのある限り、終わることなく永遠に続くテーマなのです。


今野 俊一 (こんの, knn) <toknn@ijk.com>, <knn@ebony.plala.or.jp>
東京大学 工学部 計数工学科(内定), TSG(理論科学グループ)