鉄道メモリアル、といっても鉄道雑誌の一種ではありません。巷には鉄道ファンとか鉄道ジャーナルとか、鉄道ピクトリアルとかRail Magazineなどいろいろありますけど。かといって、「たびてつ友の会*1」でもありません。いくらかっこよくても、あんなこっぱずかしいラブストーリーが旅先で待っているはずがありません。これは合宿に途中参加したが為に、昼は鉄となり、夜はメモラー*2 と化した哀れな部員の物語なのです。
なんか註*3 が巨大になってしまいましたが、まあ気にしないで下さい。
出発したのは8月2日の朝でした。本当は早朝に出て昼過ぎに着くつもりでしたが、前日にお通夜の後の厄落としと称して、新宿で11時頃までどんちゃん騒ぎをしていたもので、早朝にはとても起きられなかったのです。一泊分の荷物を鞄にほうりこんでから、何か精神汚染できそうな物はないかと部屋を見回すと、封印されていた危険物の土星*4 版が目についたので鞄に忍ばせました。電話で幹事に「夕方6時頃そちらに着く」と伝えてから、10時過ぎに家を出ました。
京王線の下高井戸駅から10:27発の各駅停車に乗って新宿に向かいます。とりあえず上野に出ようと思いまして、新宿で山の手線の外回りに乗りました。田端に着いたところ、京浜東北線の快速が来るというアナウンスが聞こえたので、あわてて飛び降りて乗り換えます。日中の快速はやはり足が速く、山の手線より先に上野に着きました。
上野で急いで買ったのが、特急あさまの指定席*5 です。さすがに夏休みともなると自由席は家族連れで混んでいるようなので、直前のキャンセル狙いで窓口の横の指定券自動販売機で調べてみると、喫煙席ながら11:30発のあさま13号の席を取ることができました。あさまが無理なら上越新幹線で湯沢に出てバスで山越えしようか*6 とも考えていたので、席が取れてからまた慌てて戸狩野沢温泉までの学割乗車券を買いました。際どいことに、改札を通ったのは発車まであと10分という時でした。席の番号は5号車の13C、ホームに行ってみると何と車両はモハ189-1、横軽越えの為に作られた189系*7 の最初の編成に組み込まれた由緒ある車両です。アコモ改造*8 を受けてデラックス車両になっていまして、座席は比較的大きく足も伸ばせます。折角だからと、しっかり写真も撮ってしまいました。持ってきたカメラはCONTAX*9 G1。一眼レフではないのですが、比較的大きくて明るいレンズを付けることができるAF機能付きのカメラです。で、今回の旅行ではこのカメラで、あちこちでぱちぱちと写真を撮りまくることになるわけです。
乗ってから時刻表を見て気がついたのですが、この特急は戸狩野沢温泉に出るのに一番乗り継ぎの良い列車でした。大宮を11:52に出発して間もなく、売り子が弁当を売りに来ましたので、折角峠越えをするのだからと釜飯を買ったところ、本当に素焼きの釜が付いてきました。この釜は、宿についてからきれいに洗い、乾かしてから鞄の中に大事にしまわれる事となったのです。こんな物を持ち帰ってどうするというのでしょうか...*10
大宮と高崎の間では、熊谷と本庄に停まりました。ちょっと意外だったのが本庄で降りる客が多かったことです。確かにここは新幹線が通過しない所ですけど、なぜ昼間の特急であさまになってしまうんでしょうねえ*11。
横川に13:00に到着、発車するまでの間に上りのあさまや駅の看板などを撮ってしまいました。7分の停車時間の間に、機関車の重連を後ろにつなげます。さらに空気バネ*12 の空気を抜いてしまいました。いよいよ碓氷峠越えです。峠といっても鉄道の場合は、一方的な登り坂が待っているのですが。この峠の区間は北陸新幹線が開通すると廃止されるので、一度乗ってみたかった区間でした。
ここの勾配は地下鉄もびっくりの急坂が続きます。東京でこれに匹敵するのは、目蒲線の目黒駅へのアプローチ*13 ぐらいでしょうか。
その坂を列車は、サスが効かないのでびりびり震えながら登っていきます。途中の信号所では崩れかかった機関庫などが見えました。
軽井沢には13:24に着きました。隣には工事中の北陸新幹線のホームが並んでいます。ここでもちゃっかり特急の最後尾や機関車の写真を撮ってしまいました。それまでは家族連れや初老の一人旅が多かったのですが、軽井沢でどっと降りてしまいましたので、残りはほとんどがビジネスマン風の客となりました。この先は急行のように小諸、上田、戸倉、篠ノ井と停まっていきます。そして14:22に長野に着きました。軽井沢--長野のほとんどの区間で北陸新幹線の高架の工事は終わっています。オリンピックの力は本当に偉大ですね。
長野で7分待ちで飯山線の鈍行に接続ですが、戸狩野沢温泉行き139Dはキハ52*14 の非冷房車2両編成でした*15。山の中なら冷房無しでもいいのですが、市内を走るのはちょっとつらそうです。車内を見渡すと、若者のグループが多いようです。列車は長野を出て豊野*16 まで信越線を走ります。右手の遥か彼方には新幹線の高架が続いています。これは車両基地が長野のだいぶ北に作られているためですが、北陸新幹線の延伸を睨んでの事でしょう。豊野で飯山線に入り、谷間を進んでいきます。そして15:29に戸狩野沢温泉に着きました。バスの発車まで7分あったので、またも列車や駅舎などをぱちぱち撮ってました。バスにゆられる事20分弱、温泉街の中心から結構急な坂道を上って、4時過ぎにみんなの泊まるやまや山荘に到着しました。
部屋には部員が半分くらいしかいないようでした。聞いてみると、他の人はプール*17 に行ったとのこと。多くの人が寝ていましたが、一部はゲームをやっていました。そういう訳で、食事までの一時をゲームを見ながら過ごしていたのです。
プレステ*18 では鉄拳シリーズ*19 が動いていました。相変わらず平八*20 の空中コンボ*21 が炸裂しています。隣の部屋では、土星で映画版のストIIという恐ろしいゲーム*22 が動いていました。でもすぐにデカスリートに代わりました。デカスリートでは、世界記録を出した瞬間を写真に収めてしまいました。この後さらに、ヴァンパイアハンター*23 に移ったようです。夕食の後はひでき君がプレステ版のグラディウス*24 で名人芸を披露してくれました。
で、宴会まで少々時間があったので、そろそろ部員の精神汚染を謀らねばならないと思い、隙を見てとうとう某デラックス版の封印を解いてしまいました。まずは音楽トラック3に入っている謎のおまけ*25 を聴かせました。そして、オープニングのビデオ*26 も見せましたが、好き好んで自ら汚染される剛の者はさすがにいなかったようです。
そして宴会が下の食堂で始まりましたが、私は酒は少しにしてソフトドリンクばかり飲んでいました。そして客室にて二次会が始まり、モノポリーが展開された頃に、ついに恐怖の恋愛シミュレーションゲームを始める事と相成ったわけであります。
折角ですから、土星様の持ち主にちなんで、主人公を次のように設定しました。
お気づきの方も多いでしょうが、部員の誰かさんそのものですね。ついでにヒロインである幼馴染みの藤崎詩織嬢*27 の設定もこのようにしました。
そして、新学期が始まってすぐにバスケ部*30 に入部した訳です。これも誰かさんの高校時代にあわせていたりします。本人は結構悶えていたようですね。
最終的にどういうエンディングを迎えるのを目標にするかは、早い段階で決めたほうがいいのですが、これは少々迷いました。女々しい野郎どもの詩*31\をカラオケで*32 聴こうとか、伊集院*33 に電話をかけまくろう*34 とか、ひたすら寒いプレイをして館林*35 告白を狙うかとか、いろいろ考えましたが、周りから
「まともに詩織を狙え」
と言われてしまいました。
このゲームでは、主人公のパラメータによって色々な娘が出てくる*36 ので、注意深く調整しないと、全員出してひどい目にあう*37 ことになります。大体初心者は5〜6人に抑えた方が良いでしょう。
で、今回はどうだったかというと、まずは主人公が運動部*38 だからあっさり虹野沙希嬢*39 が登場しました*40。次に、一年目のクリスマスで清川望嬢*41 が登場しました。
登場した女の子が少ない時は、新たにクリスマスパーティで登場することがあります。誰が現れるかは確率的な要素が強いのですが、モノポリーをやりながらゲームを見ていた松村氏*42 の話では、主人公のパラメータも影響するとか。そして一年目のバレンタインで美樹原愛嬢*43 が登場しました。詩織狙いで行って、部活などで活躍する限り、登場は避けられないようです。二年目の頭で早乙女優美*44 が登場するのは確定です。主人公の親友である好雄*45 の妹ですから。登場した女の子はこの5人のまま話は進行していきます。
一緒に下校するのは詩織と虹野*46 だけにしました。一緒に下校すると他の娘の傷心度*47 が少しずつ上がっていきますので、あまり八方美人するのも考え物です。
それと、好感度が高くてかつ傷心度が低い時に、女の子からデートに誘ってくることがあります。松村氏から「本命以外からデートに誘われたらリセット作戦」という恐ろしい作戦を聞きました。一度目はいいけど、さらに続けて本命以外から誘われるのなら、すぐリセットしてやり直すというものです。実行してみると優美や清川さんのせいでリセットするわするわ、20分ぐらいゲームの進行が停まっていたようです。まあ本命以外のときめき度を上げると後が厄介なので、デートでも少々冷たくあしらうようにしました。例えば優美にショッピングに誘われた時はわざとジャンク屋に連れていって*48、さらに「サイバーな感じがたまらないぜ」なんて答えて泣かせるなどというのは、極端な例ですが、できるだけベストな受け答えをしないように注意しました。ちょっとびっくりしたのが、一度館林が下校の時に話し掛けてきたことです。これはサターン版で新たに入ったイベントで、館林の出現する場所*49 が他のに比べて相当増えているようです。
一年目は適当にやっていたので、勉強系のパラメータの上がりは悪かったようです。そこで二年目は詩織とデートをしつつ*50 気合を入れてパラメータ調整をし、終りごろには文系のパラメータを相当高くしました。
二年目でもうひとつ、松村氏の「女の子が登場するぎりぎりまで平日コマンドで勉強する作戦*51」はものすごい物がありました。平日が確かに有効に使えるのですが、誰か新たに登場した所でリセット*52 しなければなりません。そして、理系学習のパラメータをあげている時は、つい紐緒結奈嬢*53 を出してしまい、多彩な登場パターンに見とれては何度もリセットしていたのでした。こういう事をしているとどんどん時間は経っていきます。しかしサターン版*54 では、深夜になると開始時の女の子のメッセージが変わります。「無理をしないで」なんて言ってくれますが、合宿でわざわざやっている人にゆっても無駄ですね。
三年目に入ると、多くの女の子のときめき度は危険水域に突入してきます。虹野さんはうまくコントロールできたのですが、他の女の子は皆会うたびに頬を赤らめるようになってしまいました。こうなると傷心度が上がりやすくなるので、必然的にデートの回数が増えていきます。まあ、バスケットボールの練習試合で勝ちつづけたらどうしてもそうなりますね。清川さんなんかは、ときめくようになると*55 下校時に恥ずかしがって一緒に帰ってくれなくなるのですが、こうなると会っただけで他の娘の傷心度が少しづつ上がるので少々厄介です。
この頃には夜もだいぶ更けまして、寝ながら聞いていた土星の持ち主も、いつの間にか別の部屋へ逃げてしまいました*56。でもその直後の三年目の秋には詩織はぼろぼろ状態になってまして、二週連続でデートに誘われるという快挙を成し遂げてしまいました。実はその裏で優美と虹野さんの爆弾処理が迫っていた*57 のですが、なんとかなってしまいました。土星版の難易度はかなり低いようです。
結局ゲームは主人公のパラメータも最低線を大幅に越えて*58、春夏秋冬及びクリスマスの特別イベント*59 を見た上で詩織告白エンディングを無事に迎えました。アルバムは42枚に達したようです。結局4時過ぎまでかかってしまいました。総プレイ時間は8時間弱*60 でしょうか。気になる汚染計画の達成度ですが、気がつかぬうちに睡眠学習された者や、画面写真が目に焼き付いてしまった者など、汚染を受けた部員は多数に上ったようです。なかなか愉快な結果ですねえ。今後*61 が楽しみです。ふふふ*62。
翌朝は8時前でも前夜の疲れでくたばっているマグロだらけでした。朝食をとったらすぐに荷物を片付けて一つの部屋にまとめました。で、片付ける前に昨夜まで大活躍したゲーム機達を写真に収めました。そして昼前までオリンピックの野球の決勝戦日本対キューバを見ていました。6−1から5点取って並ぶあたりは圧巻でしたね。結局乱打戦の末、キューバが金メダルを勝ち取りました。昼前に須磨氏が通信をしに出かけるのに付き合って村の郵便局まで行き、これも証拠写真*63 を撮りました。昼食はスパゲティでしたが、少々量が少なかったようです。
一時過ぎにバス*64 に乗って帰路につきます。中野から上信越道に入り、更埴*65 でそのまま長野自動車道に、梓川*66 で小休憩してから岡谷で中央道に入りました。その後は途中談合坂*67 で休憩し、霧や渋滞に巻き込まれながらも予定通り七時過ぎに新宿西口に帰還しました。焼酎やウイスキーの瓶が残ってしまい、処分に困りましたがとりあえず私が家に持ち帰り、後日根津研に運んだのでした。
この日は結構早く家に帰ることができたのですが、徹メモの代償はあまりにも大きく、翌日は海の方*68 にいく元気が全く残っていなかったのでした。